ストアの「無料」表示は4種類に分かれる

PCゲームのストアで「無料」と表示される配布には、大きく分けて4つの種類があります。無料配布、期間限定無料プレイ(フリーウィークエンド)、基本プレイ無料(F2P)、デモ/プレイテストです。どれも0円で始められますが、終了後に遊べるかどうかがまったく違います。この区別がついていないと、「もらったはずのゲームが起動できない」「無料のつもりが課金しないと先へ進めない」といった行き違いが起きます。

無料配布:受け取ったゲームはずっと遊べる

無料配布は、製品版そのものを期間限定で0円にする配布です。期間内に「入手」や「ライブラリに追加」を押すと、ゲームを所有する権利(ライセンス)がアカウントに付きます。配布期間が終わったあとも遊び続けられます。逆に、ボタンを押さずに期間が過ぎると受け取れません。

フリーウィークエンド:遊べるのは期間中だけ

期間限定無料プレイは、製品版を数日だけ無料で遊べるようにする仕組みです。Steamでは「フリーウィークエンド」と呼ばれることが多いです。所有権は付かないため、期間が終わると起動できなくなります。ライブラリに表示が残っても、遊ぶには購入が必要です。同じ時期にセールが行われることが多いのは、試遊から購入につなげる目的があるためです。

基本プレイ無料(F2P):本体は無料、収益はゲーム内課金

F2P(Free to Play)は、ゲーム本体を無料で配り、ゲーム内のアイテムやシーズンパスの販売で収益を得る形式です。期限なく遊べますが、追加キャラクターや見た目のアイテムなどは有料のことが多いです。課金しなくても最後まで遊べるかどうかは作品ごとに違います。

デモ/プレイテスト:製品版とは別のソフト

デモは、製品版の一部を体験できる試遊版です。プレイテストは、開発中のゲームを開発元がテストするために公開するものです。どちらも製品版とは別のアプリとして扱われます。そのため、セーブデータや実績(ゲーム内の目標を達成すると記録される称号)が製品版に引き継がれるかは、作品ごとに決まります。プレイテストは開発元の判断で予告なく終了することもあります。

4種類を項目ごとに比較する

下の表は一般的な扱いをまとめたものです。例外になる作品もあるため、最終的には各ストアページの表示で確認してください。

項目無料配布フリーウィークエンドF2Pデモ/プレイテスト
終了後も遊べるか遊べる購入しないと遊べないサービスが続く限り遊べる公開が続く限り遊べる(プレイテストは終了あり)
製品版へのセーブ・実績の引き継ぎ製品版そのものなので不要購入すれば多くの場合そのまま続く本体が製品版そのもの作品による
返金支払いがないので対象外購入後は通常の返金ルールゲーム内課金はストアと開発元の規定による支払いがないので対象外
あとで必要になる支払いなし(DLCは別)続けるなら購入任意または実質必須の課金製品版の購入

ストアごとの具体的な扱い

Steam

Steamは4種類すべてがそろうストアです。無料配布はストアページに「無料で入手」などの期限付き表示が出ます。期間内にライブラリに追加すると、そのまま所有できます。フリーウィークエンドの期間に遊んだ記録はアカウントに残ります。購入後に同じゲームを起動すると、Steamクラウド(セーブをサーバーに保存する機能)対応作品であればセーブが続きから使えます。実績も同じアプリなので引き継がれます。

Steamの返金は「購入から14日以内かつプレイ時間2時間未満」が基準です。フリーウィークエンド中のプレイ時間も同じアカウントの記録に積み上がります。購入後に返金を使う可能性があるなら、無料期間中に長く遊びすぎないよう注意してください。F2Pのゲーム内課金は、Valve製のゲームでは条件付きで返金できますが、他社のゲームでは開発元の判断に任されています。

デモはストアページの「デモをダウンロード」から入手します。Steam Nextフェス(新作の体験版をまとめて公開するイベント)の時期に多く公開されます。プレイテストは「プレイテストへのアクセスをリクエスト」ボタンから申し込み、承認されると遊べます。Steamファミリーでの家族共有は、開発元が共有を許可している有料タイトルが中心です。無料のゲームは各自のアカウントで入手できるため、共有に頼らず家族それぞれが受け取るほうが確実です。

Epic Games Store

Epic Games Storeは、毎週木曜に切り替わる無料配布で知られています。日本時間では金曜の未明になり、切り替え時刻はサマータイムによって1時間ずれます。配布期間中に「入手する」を押せば、期間後も所有したままです。年末には連日配布が行われることもあります。Epicには実績機能がありますが、対応しているかはゲームごとに違います。SteamのようなライブラリをPC同士で家族と共有する機能は用意されていません。

GOG

GOGは不定期に無料配布を行います。受け取ったゲームはDRMフリー(起動時にストアのログインを求めない形式)で、インストーラーをダウンロードして手元に保存できます。ストアのサービスに左右されにくいのが利点です。GOGには、Steamファミリーのようなライブラリ共有機能はありません。

Amazon Prime Gaming

Prime Gamingは、Amazonプライム会員向けの特典です。ゲームを受け取ると、多くの場合は引き換えコードが発行されます。コードを指定のストア(GOG、Epic Games Store、Amazon Games アプリなど)で登録して初めて、そのストアのライブラリに入ります。注意点は、コードの受け取りと登録が別の操作であることです。登録の期限を過ぎると使えなくなる場合があります。登録後のゲームは引き換え先ストアの扱いになるため、返金や共有のルールも引き換え先に従います。配布タイトルは国や地域で違います。Amazonは特典の名称や提供する窓口を変えることがあるので、最新の案内はAmazon公式で確認してください。

混同すると起きやすい失敗

よくあるのは、フリーウィークエンドを無料配布と思い込むケースです。期間が終わってから起動できないと気づき、セール価格での購入期間も逃してしまいます。デモで進めたデータが製品版に引き継げると思い込み、やり直しになるケースもあります。Prime Gamingでは、コードを受け取っただけで満足して登録を忘れ、期限切れになる例があります。

F2Pでは、課金要素の重さが作品によって大きく違います。ストアページのゲーム内購入の表示、レビュー、公式サイトの販売アイテムの説明を、始める前に確認してください。

入手ボタンを押す前に見る表示

ストアページで最初に見るのは、ボタンの文言と期限表示です。「入手」「ライブラリに追加」で終了日が書かれていれば無料配布です。「プレイ」に無料期間の日付が添えてあればフリーウィークエンドです。「デモをダウンロード」「プレイテスト」は製品版とは別のアプリです。期限がなく「ゲーム内購入あり」と書かれていればF2Pです。

そのうえで、遊んだ結果を製品版に残したいならセーブと実績の引き継ぎを、購入を検討しているなら返金の条件とプレイ時間を、Prime Gamingならコードの登録期限を確認します。無料配布かどうか迷ったときは、まず受け取っておくのが確実です。フリーウィークエンドやデモは、購入するかを決めるための試遊と考えると判断しやすくなります。なお、価格や配布内容、各ストアの規約は変わることがあります。記事の内容は執筆時点のもので、実際の条件は各ストアの最新表示で確認してください。