名前が似ていても中身は別物
「早期アクセス」と「先行アクセス」は名前が似ています。しかし前者は未完成のゲームを買う仕組みです。後者は完成版を発売日より数日早く遊べる特典です。取り違えると困ることが出ます。完成品のつもりで開発途中の作品を買ってしまうこともあります。上位版の特典を勘違いして、同じゲームに余計なお金を払うこともあります。返金できる期限を過ぎてから気づくこともあります。
この記事では5つの用語を、いつから遊べるか、お金を払うか、正式版に進行を引き継げるか、返金はどうなるかの4点で比べます。Steamの画面に出る文言は時期や言語設定で変わることがあります。以下の表記は目安として読んでください。
早期アクセス(Early Access):開発途中の作品を買って遊ぶ
早期アクセスは、開発中のゲームを有料で販売し、完成まで更新を続ける販売形態です。ストアページには「早期アクセスゲーム」という枠が表示されます。そこには、今すぐ遊び始めて開発に関われる、という趣旨の説明が添えられます。さらに「開発者より:なぜ早期アクセスなのか?」という欄があり、開発者が完成までの予定や価格を変える予定などを書いています。購入前に必ず読む欄です。
買った時点ですぐ遊べます。正式版(バージョン1.0)になっても、多くの場合は追加料金なしでそのまま遊び続けられます。ただしセーブデータが引き継げるかは作品によって違います。大型アップデートでセーブが使えなくなる、いわゆる「ワイプ」を予告している作品もあります。正式版になる前に開発が止まる可能性もあります。今の内容に価格分の価値があるかどうかで判断するのが安全です。
返金はSteamの通常の基準で扱われます。購入から14日以内で、プレイ時間が2時間未満なら返金を申請できます。早期アクセスだからといって特別な扱いはありません。
先行アクセス(上位版の数日前プレイ):完成版を早く遊べる特典
先行アクセスは、デラックス版などの上位版を予約購入した人だけが、発売日の数日前から遊べる特典です。Steamに専用のラベルはありません。エディションの説明に「最大72時間前から遊べる」「3日前から先行プレイ」といった文言で書かれます。英語では「Advanced Access」や「Early Access」と書かれることがあります。英語のEarly Accessは、上の早期アクセスと同じ単語です。ストアページ上部に「早期アクセスゲーム」の枠があるかどうかで見分けます。
遊べるのは、上位版を買った人に限り、発表された先行開始日からです。通常版と上位版の差額が、実質的にこの特典の値段になります。遊ぶのは発売日と同じ製品版なので、進行は普通そのまま続きます。ただしサーバーを使う作品では、先行期間中に調整が入ることもあります。
返金で気をつけたいのはプレイ時間です。返金の目安になる2時間には、先行期間中に遊んだ時間も入ります。先行期間に長く遊ぶと、発売日を待たずに返金の対象外になることがあります。
予約購入:発売前に代金を払っておく
予約購入は、発売前のゲームを先に買っておくことです。ストアページでは「○○を予約購入」というボタンで表示されます。予約特典の欄が付くこともあります。予約購入しただけでは、発売日まで遊べません。予約購入は「お金を払う時期」の話です。先行アクセスは「遊べる時期」の話で、両者は別のものです。
Steamの返金ポリシーでは、予約購入したゲームは発売前ならいつでも返金を申請できます。発売後は、発売日から14日以内で、プレイ時間が2時間未満なら申請できます。詳しい条件はSteamの返金ポリシーで確認してください。
プリロード:発売前にデータだけ先にダウンロードする
プリロードは、予約購入した人が発売前にゲームのデータをダウンロードしておける機能です。対応している作品では、ライブラリに「プリロード」ボタンが出ます。ダウンロードしたデータは鍵がかかった状態です。発売時刻になるまで起動できません。
プリロード自体に追加料金はかかりません。予約購入した人が使える機能です。目的は、発売直後のダウンロードの混雑を避けることです。容量の大きい作品や回線が遅い環境では効果が大きくなります。何日前から始まるかは作品ごとに違い、プリロードがない作品もあります。
オープンβ・クローズドβ:テストに参加して遊ぶ
βテストは、正式発売の前に、サーバーの負荷や遊びのバランスを確かめるための試験です。誰でも参加できるものをオープンβといいます。抽選で選ばれた人や、予約購入した人などに限るものをクローズドβといいます。Steamでは「Playtest」という仕組みが使われることがあります。この場合、ストアページの「アクセスをリクエスト」(英語ではRequest Access)ボタンから申し込みます。参加は基本的に無料です。ただし予約購入の特典として参加権が付く場合もあります。
テスト用の環境なので、正式版に進行を引き継げないことが多くあります。引き継げるかどうかは告知を確認してください。無料のテストなら返金の問題は起きません。参加権が特典として付いた予約購入は、通常の予約購入として返金を扱います。
βに似たものに、ライブラリでゲームを右クリックし「プロパティ」→「ベータ」から選べるベータブランチがあります。すでに持っているゲームの試験版に切り替える機能で、発売前のテストとは別物です。
4つの観点で並べると
| 用語 | いつから遊べるか | 支払い | 正式版への引き継ぎ | 返金 |
|---|---|---|---|---|
| 早期アクセス | 購入した時点から | 有料 | 作品による(ワイプあり) | 購入から14日以内・2時間未満 |
| 先行アクセス | 発売日の数日前から | 上位版の代金 | 多くは引き継げる | 先行期間中のプレイ時間も数える |
| 予約購入 | 発売日から | 発売前に支払う | 該当しない | 発売前ならいつでも |
| プリロード | 発売時刻から(データだけ先に入手) | 追加料金なし | 該当しない | 予約購入の扱いに準じる |
| オープン/クローズドβ | テストの期間中だけ | 多くは無料 | 引き継げないことが多い | 無料なら対象外 |
購入ボタンを押す前に確かめること
まずストアページ上部に「早期アクセスゲーム」の枠があるか見てください。ある場合は「なぜ早期アクセスなのか?」の欄で、完成時期とセーブの扱いを確認します。上位版を検討しているなら、通常版との差額が「数日早く遊べること」に見合うかで決めます。そのうえで、先行期間に2時間以上遊ぶと返金しにくくなる点も考えに入れてください。発売日の夜にすぐ遊びたい場合は、プリロードがあるかを確認しておくと当日にダウンロードを待たずに済みます。