作業前にそろえる3つの条件

Steamのゲームは、Steamクライアントの機能で別のドライブへ移せます。手作業でフォルダをコピーする必要はありません。始める前に、次の3つを確認してください。

1つ目は空き容量です。移動先のドライブには、移すゲームのサイズ以上の空きが必要です。Steamはデータを移動先にコピーしてから元のデータを消します。そのため、移動先の空きが足りないと途中で止まります。アップデートで容量が増える作品もあるので、少し余裕を持たせてください。

2つ目はドライブのフォーマットです。フォーマットとは、ドライブにファイルを記録する方式のことです。Windowsで使う場合はNTFSにしておくのが確実です。FAT32は1ファイル4GBまでしか扱えず、大型のゲームでは容量が足りません。exFATは環境によって不具合の報告があるので、Steamのライブラリ用には避けた方が安全です。買ったばかりのSSDは、Windowsの「ディスクの管理」で初期化し、ボリュームを作ってNTFSでフォーマットしてから使います。

3つ目は管理者権限です。ライブラリフォルダを作るときに、Windowsのユーザーアカウント制御(UAC)の確認が出ることがあります。管理者権限のあるアカウントで作業してください。

先に知っておくべきつまずきやすい箇所

ドライブ文字が変わると見失う

Steamはライブラリの場所を「D:\SteamLibrary」のようなパスで記録しています。ドライブを増設したりケーブルを差し替えたりして、ドライブ文字(DやEの部分)が変わると、Steamはそのライブラリを見つけられません。その結果、ゲームが「未インストール」と表示されます。ドライブ文字は「ディスクの管理」で元に戻せます。

外付けドライブは接続が切れると認識されない

USB接続の外付けドライブにもライブラリは作れます。ただし、Steamの起動時に接続されていないと、そのドライブ上のゲームは未インストール扱いになります。つなぎ直してSteamを再起動すれば通常は元に戻ります。省電力設定でUSBが休止すると、プレイ中に読み込みが止まることもあります。常用するなら内蔵ドライブの方が安定します。

移動中に中断すると両方に中途半端なデータが残る

移動中にPCの電源を切ったり、Steamを強制終了したりすると、移動元と移動先の両方にデータが半端に残ることがあります。この場合の戻し方は後半の「移動に失敗したときの戻し方」で説明します。大型のゲームを移すときは、時間に余裕があるときに作業してください。

手順1:移動先のドライブにライブラリフォルダを追加する

ライブラリフォルダとは、Steamがゲームを入れておく場所のことです。最初はSteamのインストール先(通常はCドライブ)にだけあります。

  1. Steamを起動し、左上の「Steam」メニューから「設定」を開きます。
  2. 左の一覧から「ストレージ」を選びます。ストレージマネージャーが表示されます。
  3. 上部のドライブ名の横にある「+」を押し、「Steamライブラリフォルダを追加」を選びます。
  4. 一覧から移動先のドライブを選んで追加します。

追加すると、そのドライブに「SteamLibrary」というフォルダが作られます。ライブラリフォルダは1つのドライブに1つまでです。Program Filesの中は権限の関係でトラブルが起きやすいので、ドライブ直下のSteamLibraryのままにしておくのが無難です。

手順2:ゲームを新しいドライブへ移動する

  1. ストレージマネージャーの上部で、ゲームが今入っているドライブを選びます。
  2. インストール済みのゲームが一覧で表示されます。移したいゲームにチェックを入れます。複数選べます。
  3. 右下の「移動」を押し、移動先のドライブを選んで実行します。

実行すると進行状況が表示され、完了すると元のドライブからデータが消えます。移動中のゲームは起動できません。また、プレイ中のゲームや更新待ちのゲームは移動できないことがあります。ゲームを終了し、ダウンロードを済ませてから移動してください。

ゲーム1本だけなら、ライブラリでゲームを右クリックし「プロパティ」→「インストール済みファイル」→「インストールフォルダを移動」からも同じ操作ができます。セーブデータの多くはSteamクラウドやユーザーフォルダに保存されているため、移動の影響は受けません。ただし保存場所は作品ごとに違うため、心配なら事前に公式の案内で確認してください。

手順3:既定のインストール先を変更する

この設定をしておくと、今後インストールするゲームが最初から新しいドライブに入ります。ストレージマネージャーで新しいドライブを選び、右側の「…」メニューから既定(デフォルト)にする項目を選びます。既定のドライブには星印が付きます。

インストールのたびに、確認画面でインストール先を選ぶこともできます。既定を変えても、すでに入っているゲームの場所は変わりません。

手順4:Windows再インストール後にライブラリを再登録する

Windowsを入れ直しても、Cドライブ以外のライブラリにあるゲームは残っています。再ダウンロードせずに使うには、次の順で作業します。

  1. Steamをインストールし、ログインします。
  2. 「設定」→「ストレージ」で「+」を押し、ゲームが残っているドライブを追加します。
  3. Steamが既存のSteamLibraryを読み込み、ゲームがインストール済みとして表示されます。

表示されないゲームがある場合は、ライブラリでそのゲームの「インストール」を押し、インストール先にそのドライブを選びます。するとSteamが既存のファイルを見つけて確認し、足りない分だけをダウンロードします。Cドライブにあったゲームは、Windowsの再インストールで消えている可能性が高いです。

移動に失敗したときの戻し方

フォルダを再登録・修復する

ドライブ文字の変更や接続切れでゲームが「未インストール」になった場合は、まずドライブ文字を元に戻し、Steamを再起動します。それでも直らなければ、ストレージマネージャーの「+」からそのドライブのSteamLibraryを追加し直してください。ドライブの「…」メニューにはフォルダを修復する項目もあります。権限の不整合で読み込めないときに使います。

ファイルの整合性を確認する

移動が中断した場合や、移動後にゲームが起動しない場合は、ゲームを右クリックし「プロパティ」→「インストール済みファイル」→「ゲームファイルの整合性を確認」を実行します。Steamがファイルを照合し、壊れたファイルや足りないファイルだけを再取得します。中断後に移動元と移動先の両方にデータが残っているときは、Steamがどちらを認識しているかを先に確認します。認識されている側で整合性確認を行い、正常に起動したら、もう片方に残ったフォルダを手動で消してください。

appmanifestファイルの扱い

各ライブラリの「steamapps」フォルダには、「appmanifest_数字.acf」というファイルがあります。数字はゲームごとのID(AppID)です。Steamはこのファイルを見てゲームがインストール済みかどうかを判断します。ゲーム本体は「steamapps\common」の中にあります。

appmanifestが消えると、ゲームのデータが残っていても未インストールと表示されます。このときは、手順4と同じようにそのドライブを選んで「インストール」を押せば、Steamがappmanifestを作り直します。appmanifestを直接編集するのは避けてください。どうしても手作業でゲームを別のライブラリへ移す場合は、Steamを完全に終了します。そのうえでcommon内のゲームフォルダと対応するappmanifestを一緒に移し、Steamを起動してから整合性確認を行います。作業前に元のファイルのバックアップを取っておくと、失敗しても戻せます。

移す前に決めておくこと

どのゲームをSSDへ移すかは、読み込み時間の影響が大きい作品から選ぶと効果が分かりやすいです。オープンワールドやロードの多い作品は、SSDに置くと待ち時間が減ります。ただし、どれだけ速くなるかはドライブの性能や作品によって変わります。まず手順1で新しいドライブを追加し、手順3で既定のインストール先にします。そのうえで、よく遊ぶゲームから1本ずつ移し、起動を確認しながら進めると、問題が起きても原因を特定しやすくなります。